【NZ人との将来を考える 1】ニュージーランドの年金制度とは

ニュージーランドの羊

今日から、 【ニュージーランド人との将来を考える】というシリーズ連載を始めようと思います。

記念すべき第1回は、「ニュージーランドの年金制度とは」。(笑)
なぜ一番最初に老後!って感じですが、大事ですよね、老後の話。

私たちは老後をどこで過ごすかというのはまだ決めていませんが、私は可能であればニュージーランドに住んでもいいかなぁと思っています。
でもニュージーランドに移住した場合、日本人の私でも年金もらえるの?日本で納めた年金はどうなる?などなど、疑問がたくさんあったので、調べてまとめてみました。

ということで本日は、ニュージーランドの年金制度、“New Zealand Superannuation”(ニュージーランド老齢年金)についてお話しします。
日本の年金制度と大きく違うので、ニュージーランドに住む予定のない方にも興味深い情報になるといいなと思います。

なお本ページに掲載されている情報は、2016年12月に筆者が調べた際のものです。最新情報は、ニュージーランド社会開発省が運営しているWork and Incomeのページをご参照ください。

年金の受給資格者

ニュージーランドで年金を受給する人は、次の全てを満たす必要があります。

  • ニュージーランド国民または永住権所有者であること
  • 65歳以上であること
  • 20歳以降の間に、10年以上ニュージーランドに居住していること
    (そしてそのうちの5年間は、50歳以上の期間であること)
  • 申請時にニュージーランドに居住していること

例えば私は日本人・日本在住ですが、結婚して向こうに住んで永住権を取得すれば、1番目の条件は満たせます。
また彼氏のロビンはニュージーランド国民ですので、1番目の条件は満たしています。

ただし2人とも、65歳になっていきなり向こうに行っても年金の受給資格はありません。3番目にある居住期間の条件を満たす必要があります。

この3番目の条件について考えてみると、少なくとも55歳〜65歳の間にニュージーランドに居住していれば、年金はもらえるようですね。
居住期間が65年でも10年でも、もらえる年金額に差はありません。ただし「ニュージーランドで年金をもらい始めてから、長期間海外渡航する場合(例えば日本に帰る場合)」には、滞在期間に応じたルールが別途適用されます(後ほど出てきます)。

また職業の有無は関係ないので、退職していなくても受給資格はあるようです。

年金保険料の納付

ニュージーランドの年金は、税金から賄われています。
なので日本の国民年金や厚生年金のように、毎月保険料を支払う必要はありません。

毎月多額の保険料を納めている身としては信じがたいのですが、これがニュージーランド。

「じゃあ日本で年金保険料を納め続けてきた場合はどうなるの…?!」という場合に関しては、後述します。

年金の受給額

ニュージーランドでは、毎年ある一定額の年金を受け取ることができますが、その金額は

  • 配偶者・パートナーの有無
  • 配偶者やパートナーの年金受給の有無
  • 海外での年金受給の有無
  • 他の収入の有無

などによって変化します。

また年に1回、受給額が変動します(4/1に更新)。
なぜならニュージーランドの年金の受給額は、「夫婦の受給額(税引後)は、ニュージーランドの平均賃金(税引後)の66%」というように決められるためです。

なお、2016年4月1日時点での、「他に主たる収入がない方」の1週間あたりの受給額は下記の通りです(1NZD=81円計算、小数点以下切捨て)。

受給者の属性 1週間あたりの受給額(税引後)
シングル/単身世帯 $384.76(31,165円)
シングル/共同世帯 $356.16(28,848円)
夫婦・カップル(双方に受給資格あり) 2人で $591.94(47,947円)
夫婦・カップル(片方に受給資格あり) 2人で $562.60(45,008円)

例えば1年を52週として計算すると、年間受給額は下記の通りになります。(NZDは小数点以下切捨て、日本円は10,000円未満切捨てで計算)

受給者の属性 1年間あたりの受給額(税引後)
シングル/単身世帯 $20,007(約162万円)
シングル/共同世帯 $28,848(約233万円)
夫婦・カップル(双方に受給資格あり) 2人で $30,780(約249万円)
夫婦・カップル(片方に受給資格あり) 2人で $29,255(約236万円)

もしニュージーランド老齢年金の他に主たる収入がある場合には、受給額に課される税率が上がるため、受け取る額はこれよりもやや少ない金額になると思います。

受給方法

年金は、2週間毎の火曜日に指定口座に振り込まれます。
受給のための手続は、WINZ(Work and Income New Zealand)の地域事務所で行うことができます。

受給者が海外渡航する場合

ニュージーランドで年金を受給しているけれど、急遽日本に帰らなくてはならなくなった場合、または別の国に移住することになった場合には、最初の26週は通常通りの給付が行われます。
そしてそれ以降は、20歳〜65歳の間におけるニュージーランドでの居住期間に応じた給付が行われます。

例えば20歳から65歳までの45年間(540ヶ月)ずっとニュージーランドに住んでいた場合、26週以降も満額を受給することができます。

仮に20歳から65歳までの間に10年間(120ヶ月)居住していた場合は、26週以降は満額の120/540の額を受給することができます。

日本で年金を受給している場合

日本での年金の受給がある場合、ニュージーランドの老齢年金を満額受け取ることはできません。なので例えば「日本の年金を受け取って、NZの年金も…」というわけには、さすがにいかないみたいですね。

基本的には、

(ニュージーランドの老齢年金の満額)ー(日本で受給する年金額)

がニュージーランドの老齢年金として受け取れる額になるようです。

ニュージーランド老齢年金のこれから

日本に比べて充実しているように見えるニュージーランドの年金制度ですが、昨今の高齢化の波に全く動じていないというわけではありません。

文献[2]によると、

高齢化が進むなかで年金制度を持続するには、将来のニュージーランド国民がその負担に耐えられるものでなくてはならない。このためニュージーランドでは、年金額のスライド調整の見直しによる給付水準の引下げや、公的年金の支給開始年齢の引上げが議論されている。また、キウィセイバーを大幅に拡大し、その貯蓄の一部を支給開始年齢の引上げの間の給付に回すことが提案されている。

ニュージーランドの年金制度の現状と課題

とあるので、今後受給額が減ったり、受給年金が引き上げられたりする可能性も大いにありそうです。

なお、Kiwi Saver(キウィセイバー)とはニュージーランド国民および永住権保有者が任意加入できる年金制度です(任期加入といっても、新しく仕事を始めた時に自動加入され、嫌だったら申請して脱退するという仕組みをとっています。それもあってか、高い加入率を誇っているようです)。

以上がニュージーランドの老齢年金制度でした。

日本の老齢基礎年金(国民年金)の満額は、1年で約78万円(2015年度)ですので、ニュージーランドの年金のほうが若干多いですが、それでも「ニュージーランドで年金だけで生活していくのは厳しい」というのが一般的な見解です。
他に貯蓄を進めていく必要がありそうですね。


■参考:
[1] New Zealand Superannuation (NZ Super) overview
[2] ニュージーランドの年金制度の現状と課題
[3] Overseas pensions deductions


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